SDC(Service-oriented Device Connectivity)がリアルタイムに

動的に相互運用可能な手術室のためのリアルタイムコミュニケーション

挑戦

高周波機器や電源システムなどの外科用機器には、指令伝達において最高レベルの精度と信頼性が必須となります。停止操作などでわずかな遅れが生じるだけでも深刻な結果を招く可能性があるため、遅れは許容されません。時間的要件は、適用される規格だけでなく、医療アプリケーションの複雑さにも由来しており、ネットワークが最大負荷の状態にあっても、あらゆる状況で遵守されなければなりません。 

高周波機器を無線で操作する場合には、さらに伝送経路による遅延も考慮する必要があります。クローズドループ監視やバイタルパラメータ曲線の同期など、リアルタイム通信が求められるアプリケーションがほかにもあります。

ソリューション

SDC単体や、標準イーサネットとの組み合わせだけでは、リアルタイムの要件を確実に満たすことはできません。しかし、Time-Sensitive Networking(TSN)による拡張によって、Real-Time SDC(RT-SDC)が可能になります。これにより、従来どおりの相互運用性を維持しつつ、厳しいリアルタイム要件を同時に満たすことができます。 

Quality of Service(QoS)やTSNをRT-SDCと組み合わせて導入することで、ネットワークが最大負荷の状態でも、時間的制約を確実に守ることができます。

アプリケーション例

このアプリケーションでは、シュトイテのユニバーサルフットスイッチが、最新の規格と顧客要件に従って、さまざまな外科用デバイスをいかに確実に制御出来るかを示しています。回転速度制御や高周波機器の作動といった重要な機能は RT-SDCを介して確実に実行され、一方でズームやカメラ操作などの重要度の低い機能は標準SDCで実装されます。

ペダルは、ポータブルなWebベースのユーザーインターフェースを通じてさまざまな機能に割り当てることができます。もちろん、割り当てにはさまざまなルールが存在します。例えば、モーターは左側のアナログペダルでのみ制御できる、あるいは凝固(coagulation)は青いペダルにのみ割り当てられる、といったことです。

研究パートナー

このアプリケーションのコンセプトは研究パートナーと共に開発されました。これには、Erbe Elektromedizin GmbH社の高周波外科用の 3 つの医療機器:高周波装置 Erbe VIO® 3n、煙霧(スモーク)排出装置 Erbe IES 3、そして内視鏡システム VIRON 1が含まれます。シュトイテのユニバーサルフットスイッチが、SDCおよびRT-SDCを介してこれらの機器を制御します。

TSN ネットワークインフラはKontron社のKSwitch D10 MMTシリーズを基盤としています。SDC通信にはSurgiTAIX社のsdcXライブラリが使用され、RT-SDCに対応するため、OR.NET e.V. の RT-SDC グループの最新の作業状況に基づき、シュトイテMeditecによって拡張されています。RT-SDCの機能は、オプションの拡張としてsdcXライブラリに直接統合されています。

技術的背景

RT-SDCの機能は、SDC規格ファミリーのリアルタイム拡張として位置づけられます。ディスカバリー、医療機器情報ベース(MDIB)、パラメータ交換、重要度の低い機能の制御といった標準的な機能はSDCによって処理されます。 

一方、速度制御や高周波機器の作動といった重要なタスクはRT-SDCが担当します。その他にも、パラメータの取得・設定やコマンドの実行が可能です。SDCの性能は各機器に加えネットワーク負荷にも大きく左右されます。RT-SDCでは性能は機器によりますが、ネットワーク負荷の影響を受けず、その結果として厳密なリアルタイム性が実現されています。

規格と承認

安全な相互運用を実現するために、シュトイテはIEEE 11073ファミリーの複数の規格の開発に積極的に参加しています。特に「External Control PKP」や「Basic User Interaction ModSpec/DevSpec」に注力しています。さらに、RT-SDCの標準化は、QoSやTSNと組み合わせたSDCの拡張として計画されています。現在、シュトイテは研究パートナーと共に、OR.NET e.V.のRT-SDCグループ内で必要な要件やプロトコル案の策定に取り組んでいます。

OR.NET e.V.

私たちはパートナーです:OR.NET e.V. では、産業界、病院、研究機関の関係者が協力して、手術室や病院におけるオープンなネットワーク化の実現を目指しています。

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