相互運用可能なORが現実に/SDCインターフェイスのワイヤレスフットコントローラ

1つのコントローラでOR(手術室)のいくつもの医療機器を動かす:これが、OR.NETアソシエーションが求めたゴールであり、そのマイルストーンのひとつに到達しました。DMEA 2019(会期2019年4月8日~11日、ドイツ・ベルリン)において、OR.NETは、Service-oriented Device Connectivity (SDC)規格を発表しました。シュトイテ・メディテク分野の最新のワイヤレスフットコントローラは新しいSDCインターフェイスに対応しています。

ジョイントコントロールユニットを使って手術室のいくつかの医療機器を統合する利点の一つは、医師が、手術により集中できることです。機器同士でコミュニケーションが行われるため、ORの流れも向上します:関連する情報がすべて表示され、処理されるのです。

こうした理由から、ダイナミックな統合を後押しする公の規格は医師や医療スタッフにとって、とても望ましいです。その規格が今回のDMEA2019で初めて発表されました。これは、OR.NET e.V.に加わったメンバーによって開発され、2016年にはライトハウスプロジェクトに成功しました。2012年に発足したOR.NETは、コンピュータベースの医療機器を安全に、公式に統合するというゴールを目指し、取り組んできました。

Service-oriented Device Connectivity (SDC)と呼ばれるこの規格は、製造業者の異なる医療機器を組み合わせて使うことを容易にするものです。コントロールユニットで統合されるため、そこに中心となる機能が集まります。

OR.NETの創立メンバーの一員として、シュトイテのビジネス分野、メディテクは、製造業者の枠を超えた規格の開発に取り組んできました。MEDICA  2018で初めて発表した最新のワイヤレスフットコントローラ(写真1)はすでにSDCに対応したもので、これによりダイナミックな統合が可能になります。

ワイヤレスフットコントローラは、新しい標準品シリーズとしてペダルが1つから4つまでのものがあり、従来のシュトイテ・メディテクのユーザーインターフェイスを補うものです。シュトイテがこの目的のみに開発した最新バージョンのワイヤレス技術で、医療機器への信号が送信されます。高い(そして調節可能な)伝送性能に加え、著しい低電力消費が特徴です。必要とするエネルギーの少なさにもかかわらず、レスポンスタイムは大変短いものです。起動中のフットコントローラからの信号伝送に掛かる時間はわずか20ミリ秒で、省エネ・ディープスリープモードからでも、起動からウェイクアップ、そして有効な信号伝送を行うまでの時間が50~60ミリ秒となっています。

シュトイテの新しいユーザーインターフェイスの低エネルギーワイヤレス技術では、初めてリチウムイオン充電池の代わりに従来のアルカリ電池(単3または単2)を利用できます。つまり、充電が不要で、そのための管理や充電機器なども不要となるため、コストが削減されます。

DMEAのOR.NETブースでは、SDCインターフェイスのプロトタイプも紹介されました(写真1)。ORの医療機器をダイナミックに統合するユーザーインターフェイスのデモンストレーションです。